御嶽山を根源とする生まれ変わりの宮
御嶽信仰にルーツをもつ我が御嶽神社茅萱宮は 平成26 年の噴火がおこるまで毎年信仰あつき皆様と共に木曽の御嶽山頂上へ夏山登拝を行っておりました。
まっ暗闇の中を出発して頂上でご来光を拝み下ってくるという流れは一度死にそしてまた生まれるという意味を持ちます。仮の死は最大の祓い清め。まっさらなわたしでまた新たに歩み出します。
月の満ち欠けもまた一度死んで新たに生まれ変わることを人々に見せてくれています。
月の死を意味する新月は月の誕生のトキでありこれから始まるという強い力を放ちます。
常に自分をまっさらな魂のままの姿罪穢れのない状態に戻すことそれをお月さまの満ち欠けに合わせてお日さまの運行に合わせてそして一年に一度の山登りという体験を通して行うことが祭りであり、祈りでした。人の細胞も日々入れ替わり生まれ変わっています。大きな周期小さな周期全てのものが生まれ変わり続けている中で二度とない“今”があることに感謝しかありません。わたしたちは何度でも今この瞬間も生まれ変わり続けています。新月や満月にまた夏至や冬至という節目にお参りすることでお月さまやお日さまからこの当たり前の営みを思い出させていただける機会になるかと思います。
歴史
創建は不明であるが明治15 年に祭祀の記録あり。
木曽の御嶽山を信仰する御嶽講として この地で祭祀を行い 一帯の多くの信仰を集めていた。
昭和59年 区画整理事業により社殿を建て替え現在の形となる。
その際、神勅により御扉を6つとし、御嶽大神《國之常立神・大己貴神・少彦名神》を主祭神に、芸能を司るとされる湖の神《市杵島姫神》、この地域の守り神である《天照皇大御神》、大国主大神の別名であり霊界を治める《幽冥主宰大神》と共に、御嶽山を信仰してきた霊神様達を祭神としてお鎮まりいただいた。
現在は、単立としての神社と講の二面の役割を持つ。
また、末社の金刀比羅宮は海上安全などを司る神様《大物主大神》であり、かつてこの辺りまで海であったという伝承を裏付けるかのように、この土地に眠るかつての海の神様が祀られる。
山から海へという水の流れの“はじまり”と“おわり”をそれらの司る神様にお守りいただくことにより命の水、また命そのものの流れ、循環を御守護いただいている。
「茅萱宮」という名も神勅により定められたが、茅(チガヤ)はやせた土地でも育ち、ちょうど夏至の頃に白い花穂をつけ、その後は枯れて地中で根を発達させる植物の名で、太陽の運行に合わせた陰陽の流れを体現してくれるものとして茅の輪に見られるように古くから私たちの祓い清めを助けてくれている。
その名のとおり訪れた方々の心身が祓い清められ、本来の魂へと生まれ変わる場としてのお役目を果たしていく。